発電量の急な低下は、多くの場合「システムのどこか1か所が止まっている」サインです。パネル全体がゆっくり弱るのではなく、 パワコンやひとつの回路が停止して、出力が段差状にストンと落ちる。放置すると売電・自家消費の損失がそのまま積み上がるので、 まずは「本当に異常なのか(天気・季節ではないか)」を確かめ、次に「どこが止まっているか」を絞り込みましょう。
原因の見当は、低下のスピードでほぼ二分できます。まずご自身のケースがどちらかを見てください。
| 下がり方 | 疑われる主因 | この先の読み方 |
|---|---|---|
| 急に(特定の日・週から段差状に半分/ゼロ) | パワコンの停止・故障、ストリング(回路)断線、ブレーカー遮断、系統側・出力抑制、モニタの計測不良 | 「一部または全部が止まっている」。本記事で切り分け。 |
| 徐々に(数か月〜数年でなんとなく低め) | 影の成長(樹木)、汚れの蓄積、経年劣化 | 正常値との比較・影・清掃の各記事へ。 |
この記事は主に「急に」のケースを扱います。まず、意外と多い「実は正常」の可能性から潰します。
故障を疑う前に、正常でも起きる低下を除外します。ここを飛ばすと、天気のせいなのに業者を呼んでしまいがちです。
天気・季節を除外してもなお低い場合、多い順に次を疑います。
パワコンは太陽光システムの中でもっとも先に寿命が来る機器(目安10〜15年)で、急な発電ゼロ・半減の筆頭原因です。 本体のエラーコード・ランプ表示を確認します。特定の時間帯だけ止まる、朝夕に立ち上がらない、エラー表示が出る、といった症状が典型です。 複数台のパワコンがある家で1台だけ停止すると、ちょうど「半分」に見えることがあります。→ パワコンの寿命と交換費用・交換サイン
パネルは数枚ずつ「ストリング」という回路にまとめられ、複数回路(複数MPPT)で構成されます。 その片方の回路が断線・接続不良で停止すると、出力がおおよそ半分に落ちます。「きっちり半分になった」ときに強く疑う原因です。 接続箱内のヒューズ切れ、コネクタの緩み・浸水などが背景にあります。
落雷・停電・系統の復電後などに、太陽光用のブレーカーや漏電遮断器が落ちたままになっていることがあります。 分電盤・接続箱の太陽光用ブレーカーが「切」になっていないかを目視で確認します(濡れている・焦げ臭い等の異常があれば触らず業者へ)。
停電や系統工事の間は当然発電が止まります。また地域・契約によっては、電力の需給調整で出力抑制がかかり、 晴れていても発電を絞ることがあります(抑制ランプ・通知で分かる場合があります)。この場合は故障ではありません。
意外に多いのが、パネルは発電しているのにモニタの表示だけがゼロになっているケース。通信機器・計測ユニットの不具合です。 売電メーターの数値やパワコン本体の表示と突き合わせ、本当に発電が止まっているのかを確かめます。
このほか、落雷・浸水・小動物による配線の損傷など物理的な故障もあります。
感電や屋根上の作業は危険です。自分で行うのは「目視と表示の確認」までにとどめ、機器を開ける・屋根に上るのは業者に任せてください。
点検の結果パワコン交換となった場合の費用はおおよそ20〜40万円が目安です(→ 交換費用の詳細)。 交換や蓄電池の導入を検討する段階になったら、複数社の見積もりを比べて適正価格を確認しましょう。同じ工事でも会社差が出ます。
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免責:本記事は一般的な目安・切り分けの考え方を示すもので、個別システムの故障を確定診断するものではありません。 感電・墜落の危険があるため、機器の開放や屋根上での作業はご自身で行わず、必ず有資格の専門業者・メーカーにご相談ください。 特定のメーカー・販売店を批判する意図はありません。
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